あの頃のわたしにはあんなにたくさん雪があったのに
子供の言葉が懐かしいんじゃないし 子供として扱われたいわけでもない 自分のことわかってない 周りがみえるとはなんのことだろう 人がどうやってしゃべるかとか人がどのように歩くか以外の情報がなんだというんだろう 隣人の咳の数かぞえてもお金もらえない
誰かがつかっていたベッドに雪が残ってる
もう人の死体にも関心あんまりない ただゆっくり寝たい 体をあっためたり清潔にしたりそういうのをしたい あの頃のわたしにはあんなにたくさん雪があったのに 人から吹いてくる風にあたためられてぜんぶとけた