FRUITS TIME

肉片

10/19

 

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好きな人を迎えに蕨まで電車に乗り、その行き帰りで朝吹真理子さんのTIMELESSを読んだ。50ページくらい読み進んだ。現代の六本木を散歩しながら400年前の葬儀で積み上げられて燃やされた香木のことを想う部分で、時空間を無視した特定の場所への気持ちが書かれていることにたまらなくなる。それを読みたくて朝吹さんの新著を買った。わたしの予想よりずっと良かった。早く読みたいけど読み終わるのが勿体ない。

 

帰りは上野に寄って猫カフェ行った。敷地面積に対する猫密度が高かった。猫カフェの中で名の無い子猫。

あとウェンディーズハンバーガー食べた。なぜかわからんがおいしすぎてびっくりした。近々もう一回食べる。。

 

そのまま上野で鍋買って帰ろうとしたけど鍋敷きが売ってなかったのでやめた。次回給料もらったら買おう。好きな人がほんとに同じ服しか着ないしそれしか持ってない、しかもボロボロなので無印でシャツ一枚買ってあげた。わたしの気持ち悪い趣味だ。。

 

帰ってきて好きな人がベッドに寝転がりうれしそうにしているところをみながらわたしのベッドに横たわる時間の死骸のことを思った。植物遺体を食むシロアリ。誰かが使っていたベッド。死ぬまでほんものの病気になれないならば、いつ忘れてしまったことを思い出せるんだろう。ほんとうのことは何にもないけど、時間だけが曖昧にあってそこに手をつければ記憶が行き来する気がする。それは誰かの気配のせいだったり、誰かの言葉のせいだったりして、わたしはいま懐かしいんだよね。だいたいの時間はずっとそう。

 

好きな人が頬ずりしたまま眠っていった。わたしの顔の匂いを嗅いでる。ベーグルにクリームが塗られたから、わたし自身がベーグルだった頃を思い出してた。ベーグルのおとなしくてしずかな匂いのこと。窓の外にはざらざらの雪が降っている。